ボクの日記
今日、お絵描きソフトを買ってきました。
早速絵を描きました。
まだまだヘタクソです。
オレの日記
特にこれという出来事はなかった。
学校では、クラスの女子が俺を指差して、「あの人の顔、落書きみたい」といってくすくす笑っている。
いつものことだ。
神様よ、美男子とは言わねえが、もうちょっと普通の顔に産んでくれてもよかったんじゃないか?
恨むぜ。
ボクの日記
前に描いた絵だけじゃ寂しかったので、横に猫を描きました。
猫に見えるかな?
オレの日記
学校から帰ると、家で飼っている猫が擦り寄ってきた。
こいつも俺に負けず劣らず不細工だ。ほんとに猫か、おまえ?
ま、不細工同士これからも仲良くやろうぜ。
俺は猫に餌をやり、頭をなでてやった。
ボクの日記
人間(命名:落書きくん)の絵をちょっと修正しました。(髪型変えただけ)
自分で描いておいてなんだけど、この頭、変てこです。
オレの日記
今朝起きると、ひどい寝癖がついていた。
ものすごい頭だ。
俺は水で濡らしてみたり、クシでといてみたりしたが無駄だった。
仕方なく、そのまま学校に行ったら、「ラクガキの頭、すごいー」と言って笑われた。
いつのまにか、俺のあだ名は「ラクガキ」になっているらしい。くそ。
ボクの日記
やっぱり髪型が変なので、元に戻しました。
あと、お友達として「めがね君」を描きました。頭よさそう?
オレの日記
やっと寝癖が治った。なんだったんだ。呪いか?
俺はとなりのクラスの友人「メガネ」にこのことを話した。
「なあ、メガネ」
「なんだい、ラクガキ」
「ラクガキって言うな。」
「君こそ、僕のことをメガネって呼ぶなよな」
「わかったわかった。あのな、昨日な・・」
「まあ、長い人生そんなこともあるさ。元に戻ったんだから、いいじゃないか。」
と言っていた。くそう、人ごとだと思いやがって。
そういえば、メガネの名前なんていうんだっけ?
なんで思い出せないんだ…こいつとはどこで知り合ったんだっけ?
俺の考えをメガネが遮った。
「そんなことより、勉強しろよ。いい大学に入れないぞ」
うるせえ。
ボクの日記
落書きくんに彼女を描いてあげました。
描くスペースがなかったので、めがね君を消しました。
オレの日記
メガネが急に転校した。
俺に一言もなしで、だ。
ひどいじゃないか、友達だと思ってたんだぜ?
そう思ってたのは俺だけだったか?くそ。
落ち込んでる俺に、保健委員の女子が声をかけてきた。
「大丈夫?気分でも悪いの?」
いきなり話し掛けられて俺はとまどった。
「ああ、大丈夫。なんでもない」
「保健室連れてってあげようか?」
「いいから、ほっといてくれ」
あまり人にやさしくされたことのない俺は、わざと吐き捨てるような言い方をした。
ボクの日記
なんだか、今日は疲れてます。
絵を描くのは、また明日にします。
オレの日記
俺は例の保健委員とよく話すようになっていた。
こいつは、俺の顔が落書きみたいでも、全く気にしないようだ。
俺は、だんだんこいつのことが好きになってきた。
明日、告白してみようか。驚くか?
ボクの日記
今日も疲れました。
絵を描く気力がありません。
今日もお休みします。
オレの日記
放課後、あいつを校舎裏の水道まで呼び出した。
なんでこんな、どきどきするんだ?
来てくれるんだろうか。
来た。
「あああ、ああの、突然だけど、おおお俺、君のことが・・」くそ、どもるな俺。
「えっ…」
「おおお、俺と付き合ってくれ!」言ったぞ。
「あ…。」
「や、やっぱり俺みたいな不細工は嫌なのか?」
「いいよ。」
俺は返事を聞くなり逃げ出してしまった。
本当か、本当なのか。俺にこんな幸せがある訳が。現実か、これは現実か?
ボクの日記
実はおととい、彼女にフラれました。
それ以来、街でカップルを見かけると、すごく腹が立ちます。
石をなげつけてやりたい。
そういえば、落書きくんにも彼女を描いてあげたのでした。
僕に彼女が居ないのに、落書きくんに彼女がいていいんでしょうか。許せません。
僕は落書き君の彼女をぐしゃぐしゃにしました。
オレの日記
今日、始業時間になっても彼女は学校に来なかった。
どうしたんだろう?
しばらくして、担任が暗い顔で教室に入ってきて、
彼女が交通事故で入院したことを告げた。
俺は担任に彼女が入院している病院を聞き出した。
学校は早退した。
こんなときに授業なんぞ受けてられるか。
病院に到着した俺が見たものは「面会謝絶」の札だった。
ボクの日記
昨日はつい感情的になって絵をぐしゃぐしゃにしてしまいました。
汚くなってしまったので「落書きくんの彼女」を消しました。
オレの日記
彼女は死んだ。
もう、いい…。
ボクの日記
落書きくんの手のあたりに、赤色の変な線が入っていました。
保存の時に失敗したのでしょうか。
僕は赤い線を消そうと思いましたが、消せませんでした。
ソフトのバグなんでしょうか。
オレの日記
俺は血を大量に失い、ふらふらになりながら日記を書いている。
うちには親は居ない。猫がいるだけだ。
ちょっと待てよ、じゃあ、今までどうやって生活してきた?
思い出せない。
小学校とか中学校の頃の記憶もない。
猫がうちにきたときの記憶もない。
俺の名前は?
まあいいじゃないか。こんな訳のわからないことはこれで終わりだ。
じゃあ、な。jjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjj
ボクの日記
落書きくんの絵が赤い線でぐしゃぐしゃになっていました。
僕は描いてません。
怖いです。
今日はもう寝ます。
ボクの日記
落書きくんの夢を見ました。
僕の描いた落書きくんが動いています。生活しています。
落書きくんは好きな彼女を失って、自分もいなくなってしまいました。
夢とは思えませんでした。
僕は、落書きくんの絵をファイルごと消しました。
ボクの日記
特にこれという出来事はありませんでした。
学校では、クラスの女子が僕を指差して、
「あの人の顔、落書きみたい」といってくすくす笑っています。いつものことだけど。
あれ?なんかこの場面見覚えが…。
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