トトがしゃべった日 (土曜日)

今日は休みだ。

だが、早い時間にトトに起こされた。

「ほらほら!いつまで寝てんの!遅刻するよ!」
「いや、今日は休みだからいいんだよ」
「あ、そうなの。」

トトにエサをやり、布団の中でうだうだしていたら、トトが話し掛けてきた。
「遊ぼうよ!」
「そうか、何して遊ぶ?」
「猫じゃらし!」

私はペン立てに刺してある猫じゃらしを取りだし、トトの目の前でしゃかしゃか振りまわした。
ぱし!ぱし!とトトの猫パンチが猫じゃらしに炸裂する。
しゃかしゃか。「えいえいっ、このー」
しゃかしゃか。「まてまてー」
しゃかしゃか。「じっとしてろ!」
しゃかしゃか。「大人しくしろっていってんだろ!この柄のついた毛玉が!殺すぞ!」
どうも、エキサイトしてきたようなので、このへんで止めることにした。

「ま、まあまあ落ち着けよ」
「ふぅ〜、ふぅ〜。つい熱くなってしまったわ。」

トトは疲れたのか、丸くなって寝てしまった。
その間、私は買い物に出かけ、夕方頃に帰ってきた。

「ただいまー」
「おかえりー、何買ってきたの?」

「ああ、服とか食い物とか。高級猫缶もあるぞ」
「やったあ。」

どうもこのところ、トトは変に素直だ。
ま、素直に越したことはないな。
その後、とりとめのない話をして、寝る時間となった。

「そろそろ寝るか」
「うん…いよいよ明日ね…」
「何が明日なんだ?」
「なんでもない。」

気になったが、とりあえず寝た。
トトも、私のわき腹付近でゴロゴロと喉を鳴らしながら丸くなっていた。

<つづく>


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