休みの前の日、なんか面白いもんでもないかとレンタルビデオ屋に行ってみる。
最近はどっちかというと、ビデオよりDVDが主流になりつつあるようだ。新作はほとんどDVDだ。数ヶ月前にDVDとビデオが両方見れるテレビ(台湾製っぽい)を買った私は、どちらでもOKなのだ。
中に入るとすごい人だ。私の行きつけのレンタルビデオ屋は、通路がせまい。通路に人が居ると、触れずにすれ違うのが困難だ。奥の方でDVDを物色していると、通路が全て人で封鎖されていて脱出不能になっているときもある。
私は満員電車を思い出す。ああ、この駅で降りないといけないのに凄い人だ。すいませーん、降りますー、降りますー。降りる人を防止するためにドア付近で新聞を広げている人が道を阻む。通すわけにはいかん、終点まで乗っていてもらおうか。
そういう恐ろしい光景を思い出す。
私は混んでいる場所が嫌いだ。ガラガラに空いている店が大好きだ。そのせいで、私のお気に入りの店はよく潰れる。どうにかならないのか。
とにかく、新作コーナーに行ってみる。案の上、面白そうな奴は全て貸し出し中になっている。パッとしない作品は、他人にとってもパッとしない作品なのだろうか、大量に残っている。
と、店員がDVDをたくさん抱えて新作コーナーにやってくる。
店内に緊張が走り、客の視線が集中する。
「最新作のxx、戻りましたぁ〜」
貸し出し中の最新作が戻ってきたのだ。あさっての方を見ながら、新作コーナーに集まる客たち。気づかれたら最新作が飛んで逃げてしまうとでもいうように、決してDVDの方は見ず、最新作に近寄る。皆がダッシュして奪い合うことは無い。静かな戦いなのである。
1人がその最新作を手に取ると、知らんフリをして忍び寄っていた他の客は、さらに知らんフリを続けてどこかへ行く。静かなる戦いは終わったのだ。
私はその妙な空気に耐えられなかった。いっそ、奪い合ってみたほうがスッキリするんじゃないだろうか。
結局、最新作はあきらめて「準新作」と呼ばれる、皆がもう一通り見終わって借りやすくなってるやつを借りて帰るのだ。
なんかもう、DVD借りに来ただけなのにすごい疲労感。私はそんな場所で戦いを繰り広げたくない。どうにかならないんだろうかと思って居たが、ある日便利なものを見つけた。
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