映画版シャイニングとストーリーは同じはずなのだが、見終わったあとの印象が全く違うTV版のシャイニング。放映時間が長いせいか、各人物の描写がすごく細かく描かれている。
原作者のスティーブンキングは、映画版シャイニングの出来におおいに不満を感じ、自ら指揮をとってシャイニングを撮りなおしてしまったらしい。
大筋は、冬の間使わないホテルの管理を任された男が、だんだんおかしくなっていくという映画版とほぼ同じのストーリー。
映画版のジャックニコルソンは、登場したときからどっか異常な感じがただよっていたが、TV版は少し雰囲気が違う。なんだか精神が不安定そうな男が、次々起こる異常な出来事についにおかしくなってしまうという感じだ。リアルで納得できる。
また、シャイニング=「テレパシーのような超能力」も、かなり重要な能力になっている。少年の「友達」も意味があるものになっている。
ほぼ全ての出来事に伏線が張られていて、意味づけがされている。映画版では、「あれはいったいなんだったんだろう?」と思うようなことが、このTV版を見れば「ああ、こういうことだったんだ」と納得できるはずだ。
恐怖映画と言えば、怖いだけで後味が悪いものが多いが、このシャイニングTV版は違う。エンディングで感動の涙さえ流れる、スティーブンキングの愛に満ち溢れた恐怖映画なのである。
シャイニング TV版
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