グルメ番組。
日曜のどうでもいい時間帯によくやっている、おいしいものを食べておいしいおいしいと言う番組である。一昔前は、「まったりとした濃厚な味わいの中にもきらりと光るなんとかかんとか」と訳のわからないコメントをつけるのが流行ってたが、今はシンプルに「おいしい」と言いながらおいしそうな顔をする人が多いようだ。
私は、そんなけだるいグルメ番組をぼーっと見ていた。女二人組が北海道まで出かけて、わざわざカレーを食うという内容だ。
二人組が、北海道のちんまりした店に入り、カレーを注文する。出てきたのはスープカレーと呼ばれる、粘度の低いというか、汁っぽいというか、しゃぱしゃぱしたカレーだった。夏野菜がごろごろ入っている。夏ばてのときに良さそうだ。
女二人組は、おいしいおいしいと言っているが、単なる汁状のカレーではないのか。大げさなのではないか。北海道にはスープカレーというものがある、という情報が私の中にふんわりと記録された。特に衝撃だとか感動はない。
なんとなく記憶した情報である。
だが、一晩寝ると、その情報はどこがどうなったのか、私の中で熟成されて「スープカレーを食べてみよう」という欲求になっていたのである。
どっかそこらへんで食えると思ってネットで検索すると、以外にない。電車に乗ってはるばる出かけないと食えないようなのだ。
わざわざ出かけるのはイヤだ。しかし、簡単に食えないとわかると食べたい欲求はどんどん強くなってしまうものなのだった。
●スープカレーへの第一歩へ
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