ウェブマスター、すなわち私だ。ちょっとかっこいい言い回しを使ってみた。
あれからGoogleAdsenseは毎日少しずつ収入をあげていた。アマゾンドットコムの収入はなかなか入らない。
他のASP(アフィリエイトサービスプロバイダーだ)の広告も貼り付けてみることにした。具体的にはバリューコマース、電脳卸、アクセストレードの広告を貼ってみた。
無料のゲーム、ダイエット商品、その他色々手当たり次第に貼ってみた。それでも少しではあるが収入になる。アマゾンドットコムからも少しづつ収入が入ってくるようになった。広告を貼れば貼るほど収入が増えると思い、あちこちにぺたぺたと広告を貼る。
おそらく冷静に当時の私のサイトを見ると、違和感のある広告があちこちに貼られたちぐはぐな感じがしていただろう。微々たるものとは言え、収入が入ったときから私はアフィリエイトという魔物にとり憑かれていたのだ。
まだまだ私の目は覚めなかった。私はどうすればもっと収入が増えるかを考えた。
アフィリエイト本も色々読んだ。本当にアフィリエイトで儲かっている人が書いている本を読みたい。主婦もかせげるパソコンで月収30万というのをアマゾンドットコムで見つけた。
初心者向けの本だった。私が今までに調べたようなことは全てわかりやすく書いてある。私にはちょっとものたりない気がした。やりはじめてすぐには成果がでるもんじゃないというようなことも書いてあった。うん、そりゃあそうか。
ググッてアフィリエイト関連のサイトを渡り歩いたりもした。アフィリエイトというキーワードを検索すると、それはもう山のようにサイトがあることがわかる。
「アフィリエイトとは」「アフィリエイトの仕組み」などということが書いてあるサイトはたくさんある。私はもう、そんなことはいいから、どうすればクリックしてくれたり商品を買ってくれたりするのか、コツというかノウハウというか、体験談が聞きたかった。
「ホームページに広告を貼っておくだけで、あなたが遊んでいる間もがっぽがっぽ稼いでくれますよ。」そんなような甘い言葉があちこちで見つかる。
嘘つけ。 私はアマノジャクなのか、成功した話だけが書いてあると信用できない。失敗を繰り返してやっとの思いで成功したようなサイトでなければだめだ。
それでも大したもので、きちんと失敗談を載せているサイトや本も見つかった。ちょっと心に残ったものをいくつか書いておこう。
なるほど、該当することばかりだ。直せる部分は直そう。そして一つ、技を覚えた。というか、どこかのサイトで見つけてまねした。
それは体験談を載せること。本当は商品を購入して体験談を載せるのがいいのだが、そうそう買ってもいられない。買わずに買ったフリをして体験談を載せるということも頭に浮かんだが、それはやっちゃあいけないよなあ、と思ってやめた。
色んなサイトを回ったときに、コイツ明らかに買ってないのに買ったフリして商品を奨めてやがる、というのが結構目についたからだ。やはり、なんとなく不自然さみたいなのを感じるんだろう。
じゃあどうしよう。過去に買った本を紹介することにした。これならやれる。アマゾンの広告に「固定商品リンク」というのがあって、それを使うと本単体の広告が出せるのだ。
で、私が紹介した本は売れなかったが、全く別の本が売れていた。それでも私にいくらか報酬が支払われるのだ。え、いいの?という感じ。
そうだ、自分の貼ったアマゾン広告から本を買えばいくらか安く買えるんじゃないか。ふふ、ふふふふ。そこに気づくとはさすが私だ。
と思ったのだが、自分のリンクから買った分はアマゾンの方で除外しちゃうらしい。ちくしょう、うまく出来ていやがる。そうだよなあ、誰でも考えるよなあ。
あとは無料ゲームの紹介だ。全力HP通販前生活のオンラインゲーム潜入とかがそうだ。やはり無料のものはダウンロードしてもらえる。
そして大当たりしたのが、オーネットの結婚診断。これを申し込んで送られてきた結婚診断結果を紹介した。通販前生活の結婚診断してみたがそれだ。これが月に5万以上もの収入をもたらした。
私はますます調子に乗った。アフィリエイトという魔物に半分以上喰われかかっていると言っていいだろう。
私はまだまだ目が覚めないのだった。
解き放たれたウェブマスターへ